ISO9001の取得・維持費用はどれくらい?コンサル会社利用のパターンまで徹底解説!

ISO 2025.06.02

「ISO9001を取得したいけど、どれくらいの費用が必要なのだろう?」と気になっていませんか?

ISO9001は、品質マネジメントの国際規格として、企業の信頼性向上や顧客満足度の向上に役立つ一方で、取得や維持にはコストがかかります。初期費用だけでなく、審査費用や更新にかかる維持費用も考慮する必要があり、さらにコンサル会社を利用する場合はその依頼料も発生します。

本記事では、ISO9001の取得から維持に必要な具体的な費用について、自社運用やコンサル会社利用のケースごとに詳しく解説します。初めて取得を検討している方から、運用中の見直しを考えている方まで、知りたい情報をわかりやすくお届けします。

ISO9001の新規取得にかかる費用相場

ISO9001の取得は、企業の信頼性向上や業務改善に繋がる重要なプロセスですが、導入には一定のコストがかかります。それでは、新規取得に必要な費用の概要を解説します。

ISO9001の構築・運用にかかる費用

ISO9001の取得プロセスでは、品質マネジメントシステム(QMS)の構築・運用が必要です。この段階での費用は、主に自社で対応するか、外部コンサルタントを利用するかによって大きく異なります。

自社でISO9001の構築・運用を行う場合、主な費用は以下の通りです。

・社内資源の投入・・・担当者の人件費や教育研修の費用がかかります。特に、内部監査員を育成するための教育は重要で、1人当たり数万円~10万円程度かかる場合があります。
・資料作成コスト・・・QMSの構築に必要な手順書やマニュアルの作成には時間と労力がかかります。これを自社で作成する場合、コストは時間に依存しますが、数十万円程度の労力換算が一般的です。

自社運用は費用を抑えられる一方、専門知識が不足している場合には時間がかかり、認証取得までのプロセスが長引く可能性があります。

外部コンサルタントを利用する場合、プロの支援により効率的にシステムを構築できます。主な費用は以下の通りです。

・コンサルタント費用・・・コンサルタント会社に支払う費用は、企業規模や業種によって異なりますが、一般的には50万~150万円程度が相場です。
・追加費用・・・場合によっては、内部監査、審査での立会、業務分析や改善提案にかかる追加料金が発生することがあります。

外部の専門家を利用することで、スムーズな導入が可能ですが、初期費用は高めになります。

ISO9001の初回審査にかかる費用

ISO9001の初回審査には、審査機関(認証機関)に対して以下のような審査費用が発生します。

・審査料・・・審査の費用は企業規模や業務の複雑性に応じて異なり、小規模企業であれば20万~50万円程度、中規模以上では100万円を超えることもあります。
・関連費用・・・審査員の交通費や宿泊費が別途請求される場合もあるため、事前に確認が必要です。

審査機関選びも重要で、審査費用とサービス内容を比較し、最適な会社を選定することが重要です。

ISO9001の認証維持にかかる費用相場(ランニングコスト)

ISO9001の認証取得後も、維持・更新のためには継続的なコストがかかります。それでは、ランニングコストの概要を説明します。

ISO9001の運用にかかる費用

ISO9001を運用するための費用は、引き続き自社運用か外部コンサルタント利用かによって異なります。

自社運用の場合は、認証後も以下のような費用がかかります。

・内部監査の実施・・・内部監査を定期的に行う必要があり、そのための教育費用や担当者の時間的コストが発生します。
・従業員の教育・・・システム運用を維持するための教育や訓練にかかる費用が発生します。年間で数万円~数十万円程度が一般的です。
・資料更新コスト・・・規格変更や業務改善に伴い、マニュアルや手順書の更新が必要です。

外部コンサルタントを定期的に利用する場合の費用は以下の通りです。

・定期支援費用・・・運用支援や内部監査代行などのサービスに対して、年間で30万~100万円程度のコストがかかることがあります。
・追加対応費用・・・規格改訂対応や運用上のトラブル、改善提案の際に、別途料金が発生するケースもあります。

外部支援を利用することで、専門的なアドバイスを受けられる一方、継続的な費用負担があります。

ISO9001の維持・更新審査にかかる費用

ISO9001の認証を維持するためには、定期的な維持審査や更新審査が必要です。これらの費用は以下の通りです。

・維持審査費用・・・2年連続で毎年実施される維持審査には、20万~50万円程度が必要です。企業規模が大きい場合や、複数拠点がある場合はさらに高額になることがあります。
・更新審査費用・・・認証は3年ごとに更新が必要で、この際には初回審査と同等の費用がかかることが一般的です。

維持・更新の際には、費用だけでなく、QMSが適切に機能しているかを見直す機会として活用することが重要です。

【費用比較】自社運用と外部コンサル利用のメリット・デメリット

ISO9001取得・運用を検討する際には、自社運用と外部コンサルタント利用のどちらが適しているかを理解することが重要です。以下の表で、それぞれの特徴を比較してみましょう。

項目 自社運用時 コンサル利用時
初期費用 50万〜100万円程度 100万〜200万円程度
維持費用 年間10万〜30万円程度 年間30万〜50万円程度
メリット ・コストを抑えられる
・内部のノウハウが蓄積される
・独自の運用体制を構築可能
・専門的な知識と経験を活用できる
・スムーズに認証取得が可能
・人的資源を本業に集中できる
デメリット ・専門知識や経験が必要
・準備や運用に時間がかかる
・失敗のリスクが高まる
・コストが高くなる
・内部ノウハウの蓄積が進まない
・外部依存度が高くなる

自社運用はコストを抑えられる点が大きな魅力ですが、ISO9001に精通した人材がいない場合は負担が増え、認証取得までのプロセスが長引く可能性があります。一方、外部コンサルタントを利用すれば、専門知識に基づいた支援を受けられるため、認証取得や運用がスムーズに進みます。ただし、費用が高くなることや、内部にノウハウが蓄積されにくい点には注意が必要です。企業の規模や人的資源を考慮して、適切な選択を行うことが成功の鍵となります。

ISO9001取得成功には運用代行型コンサルタントがおすすめ

スムーズなISO9001認証取得を希望する場合は、『運用代行型コンサルタント』がおすすめです。
また、コンサル会社選びを成功させるためには、ISO9001の取得における料金、工数、期間などの条件の整理と、コンサル会社への要望が満たせるのかを確認することが重要です。
それでは、『運用代行型コンサルタント』や『コンサル会社を選ぶ基準』について簡単に説明します。

運用代行型コンサルとは

『運用代行型コンサルタント』は、ISOに関するアドバイスかつほとんどの書類作業を請け負う支援を行います。必要な情報提供で書類作成や運用の一部を任せられるため、社内の工数削減に最適です。また、ISOの知識がなくても確実に認証取得ができるという大きなメリットがあります。
おおよその費用の相場は、年間で45~200万円程度です。

コンサル会社を選ぶ基準とは

ISO9001コンサル会社は、以下の4つのポイントを基に選定するとより満足度が高いコンサルティング支援を受けられるでしょう。

・顧客継続率・・・顧客満足度につながる。認証取得後も見据えて付き合えるコンサル会社選びの参考になる。
・認証したい業界での顧客実績・・・業界への理解度の高さが自社にマッチしたマネジメントシステム構築を可能とする。
・認証の目的にあった支援・・・形式的な取得か組織体制強化のための取得なのか等により、目的を果たしてくれる最適なコンサルタントの検討が重要。
・認証を取得したい期日・・・認証取得には準備期間が必要であり、審査日程や、コンサルとの日程調整は認証期日を逆算して準備に取り掛かることが重要。

まとめ

ISO9001の取得や運用には、初期費用やランニングコストが発生しますが、それらは自社運用か外部コンサルタントを利用するかで大きく変わります。自社運用はコストを抑えられる一方、専門知識や多大な労力が必要です。一方、外部コンサルタントの利用は費用が増えるものの、専門的な支援によりスムーズな運用が期待できます。特に運用代行型コンサルタントは、運用の負担軽減と効率的な体制構築を実現できるため、多忙な企業にとって有益な選択肢です。
ISO9001の運用は、即効性を感じることは少ないのですが、長期的に見ると徐々に効果をもたらします。企業の現状に合った方法を選び、適切なパートナーと共に進めることで、品質向上や顧客満足の向上といった目標を効果的に達成できるでしょう。