ISO9001取得成功には外部コンサルタントがおすすめ!コンサル会社費用相場や支援内容まで解説

ISO9001認証を取得しようと決めたとき、多くの企業がコンサルタントを利用しています。ISO9001認証の取得には、第三者認証機関が実施する審査を通過し、登録証を得る必要があります。審査では、企業や組織で運用されているISO9001マネジメントシステムが規格で定められた要求事項を満たしているかを確認されます。
ISO9001の要求事項は幅広く、特に初めて自社で挑戦すると社内の従業員の工数がかかり、大きな負担となる可能性が高く、認証できないリスクもあります。
その解決策として、ISOコンサルタントの活用が効果的です。
そこでこの記事では、ISO9001取得にコンサルタントがなぜ必要なのか、コンサル会社の費用相場や支援内容、コンサル会社を選ぶ基準などを紹介していきます。
目次
ISO9001取得にコンサル利用が必要な理由とは?
結論として、工数をかけず、スムーズにISO9001を取得したいならば、コンサルタントへの依頼をおすすめします。その理由は、自社運用した場合に対応が難しい要因である以下の3つへの解決策に直結するからです。

それぞれの要因について、なぜコンサルタントの活用が望ましいのか詳しく解説していきます。
要求事項や法令順守への理解が必要になるため
ISO9001認証を取得するには、規格で定められた要求事項を満たすマネジメントシステムを構築・運用しなければなりません。ISO9001には10項目にわたる要求事項があり、初心者が独学で理解するにはかなりの時間を要します。
また、企業の実情に沿った無駄のないマネジメントシステム構築のためには、規格要求事項のより深い理解や継続的な改善が必要不可欠です。
その上、ISO 9001では法令順守が要求されており、毎年のように改訂される法令を情報収集・理解するのは大きな負担となります。そのため多くの企業は、コンサルタントの専門な知識と経験を借りて、効率的にISO9001を取得しています。
自社の実情に合った対策が必要になるため
ISO9001認証の取得では、要求事項を満たすことだけでなく、企業独自の状況に合わせた対応をすることが必要です。
しかし、経験が少なかったり、知識が足りなかったりすると、企業の実情に合ったマネジメントシステムを構築できず、現場で運用しにくいISOとなってしまいます。企業はISOコンサルを利用することで、組織の現状を踏まえた最適なマネジメントシステムを構築することが可能です。
つまり、形だけの認証取得にとどまらず、業務改善や効率化に繋がるシステムを整えられるのです。
こうした実情に合った対策を講じることで、ISO9001認証の取得だけでなく長期的な運用においても大きなメリットを得ることができるでしょう。
審査時期に合わせたスケジュール調整が必要になるため
審査ではISO9001の要求事項の適合状況をみられるため、審査を受ける前にマネジメントシステム全体を一周しなければなりません。
つまり、PDCAサイクルを回すために、計画→運用→監視→評価(内部監査とマネジメントレビューを含む)を行い、改善指示を出すといったところまで一旦完了しなければならないということです。マネジメントシステムを一周回す最低限の推奨期間は6カ月と言われています。
しかし、ISOを検討し始めた時に、審査まで6カ月の期間を設けることができない企業も存在します。その場合は、確実にISO9001を取得するためにもISOコンサルタントや第三者認証機関に相談した方が良いでしょう。
また、ISOの専門であるコンサルタントに依頼することで、審査までの取得スケジュールを考え、資料作成等を代行してくれる会社もあり、効率よく短期間でISO9001認証を取得することができます。
【ISO9001】外部コンサルタントにかかる費用の相場と支援内容
コンサルタントの料金は、適用範囲、規格数、規格の種類、企業の規模が主な決定要因となります。
ISO9001認証は取得するだけではなく、取得した後も運用や維持審査・更新審査に備えなければいけません。つまり、コンサル会社毎にコンサルティング支援内容を比較し、取得後も見据えて自社のニーズを満たせるようなコンサル会社を選ぶことが重要です。
それでは、コンサルタントにかかる費用の相場と支援内容を見ていきましょう。
ISO9001の認証取得(初回審査向け)にかかる費用・支援内容
初回審査に向けてISO9001取得にかかる費用と支援の比較は以下の通りです。
自社運用
教育型コンサル利用
代行型コンサル利用
審査費用
・審査料(審査を受けるための費用)目安として30~100万程度
・ISO登録料(ISO9001登録手続きにかかる費用)
・審査員の交通費・宿泊費
人件費
(ISO業務に携わる時間に対する費用)
例:1名×30万円(月給)×12ヵ月=360万円
・ISO知識習得にかかる時間数は削減可能
・構築・運用の資料作成や管理は自社で対応が必要
・ISO知識習得の必要はほぼなし
・代行支援の程度によっては、打ち合わせ以外の人件費がほぼ0にすることが可能
コンサル費
不要
・コンサル依頼料(取得するまでの費用)
年間で50~200万円程度
初期費用、月額など料金設定あり
コンサル支援内容
なし
・内部監査員養成やISO実務セミナーなど、ISO9001認証を取得するための教育・指導を行ってくれる
・数回の打ち合わせを行い、ISO9001認証の取得までの構築や運用を支援
・資料作成の代行を行う
※代行の範囲は会社によって異なる
・審査日程調整の代行も請け負っている会社もある
諸経費
要求事項解説本やマニュアルテンプレート購入など
不要
費用を抑えるためにも自社運用を検討している企業もありますが、トータルコストで検討すればコンサルに依頼した方が費用も時間も削減できる可能性が高いです。そうすれば、従業員に大きな負担をかけることも無いでしょう。
とくに「ISO取得の流れがわからない」、「初めてISO規格を取得する」などのに該当する場合、コンサルタントへの依頼がおすすめです。自力で取得すると認証取得にかかる工数が増え、現場で運用しづらいISOになる恐れもあります。
ISOに対する知見が豊富なコンサルタントに依頼することで、企業に適したマネジメントシステムの構築を提案してもらい、効率よくISO9001認証の取得ができます。
ISO9001の認証維持(維持・更新審査向け)にかかる費用・支援内容
ISO9001認証の有効期限は3年間という決まりがあります。また、認証取得から1年毎に維持審査を行い、3年後には更新審査を受けなければなりません。
維持・更新審査に向けてISO9001取得にかかる費用と支援の比較は以下の通りです。
自社運用
教育型コンサル利用
代行型コンサル利用
維持審査
(1年毎)
認証登録時の約6~7割
例:取得審査100万円⇒60~70万円
更新審査
(3年後)
認証登録時の約8割
例:取得審査100万円⇒80万円
コンサル費
不要
・コンサル依頼料(取得後の運用費用)
年間で45~150万円程度
年間契約、月額など料金設定あり
コンサル支援内容
なし
・内部監査員養成やISO実務セミナーなど、ISO9001認証維持のための教育・指導を行ってくれる
・数回の打ち合わせを行い、ISO9001認証維持の運用を支援
・資料作成の代行を行う
※代行の範囲は会社によって異なる
・審査日程調整の代行も請け負っている会社もある
認証取得後もコンサルタントの活用を継続することで、自社の負担を軽減することが可能です。自社運用の場合、ISO担当者が辞めてしまったら、変わりの担当者へ引継ぎし、再度育成する必要があります。
しかし、代行型コンサルタントに依頼した場合は、新たな担当者への引継ぎや育成の必要はありません。
ISO9001コンサルの種類とは?
ISO9001コンサルタントは、主に『教育指導型コンサルタント』と『運用代行型コンサルタント』の2種類に分けられるでしょう。
教育指導型コンサルタントとは、ISOの担当者、従業員などに対して、内部監査員養成やISO実務セミナーなど、ISO9001認証を取得するための教育・指導を行ってくれます。費用は比較的高額になりますが、ISOを学ぶことができ理解を深めたい企業にはおすすめのコンサルタントです。
教育指導型ではアドバイスが主なので、企業側がアドバイスを元に社内のプロセスを見直し、マネジメントシステムの構築と運用を行う必要があります。
運用代行型コンサルタントとは、依頼企業へヒアリングを行い、実情に合わせてISO9001認証の取得までのISOの構築や運用を支援します。会社の規模や実務に沿ってISOの規格要求事項を満たした文書や記録の作成を支援したり、一部運用を代行したりするコンサル会社もあります。
コンサルティング支援内容によっては、ISOにかかる工数を最大限に削減することも可能です。確実かつ効率的なISO9001認証の取得を目指す企業に最適のコンサルタントです。
ISO9001コンサルを選ぶ基準とは?
コンサルタントと一度契約してしまうと、ISO9001認証を取得するまでコンサルタントは簡単には変更できません。認証取得のコンサルタント選びは慎重に行う必要があります。
・顧客継続率の高さ
・ISO9001規格での取得実績
・類似する業界での取得実績
・支援内容
・取得期日に間に合うか など
中でも自社と業界が類似している会社での実績が豊富だと、自社の業務プロセスに最大限適合したムダのないISOの構築・運用に大変期待が持てます。認証を取得したい業界の知識が深いコンサルタントであれば、既存の書類へのISOの組み込みや、効率的な業務プロセスの確立が可能となります。
そして、認証取得率については実績のあるコンサル会社であればほぼ100%が約束されるため、認証取得率よりは顧客継続率の高さに注目すると良いでしょう。顧客継続率は顧客満足度に値するため、認証を取得した後も見据えて付き合えるコンサル会社選びの参考になります。
まずはISO9001認証を取得する目的や、どこまでのコンサルティング支援を求めるか、予算はどのくらいか、ISO9001認証を取得したい期日などを明確にしていきましょう。
まとめ
コンサル会社は認証取得だけでなく、認証取得後の維持・運用や定期審査、更新審査、規格改訂時の対応、複数の規格に統合など様々な支援内容があります。
また、ISOコンサルタントに依頼すると45〜200万円程度の費用がかかります。ISO認証の取得をして品質向上を目指す企業にとって、ISOに深い知識を持つコンサルタントを利用することは、有益な助けになります。自社の従業員の負担を大幅に軽減できるなどのメリットもありますので、費用体効果を考えて活用するようにしましょう。
数多くのコンサルタントの中から最適な会社を選ぶのは難しいことですが、組織の実情を良く把握して対応してくれるコンサル会社を選びましょう。