ISO14001の新規取得・維持費用はどれくらい?コンサル会社利用のパターンまで徹底解説!

ISO 2025.06.02

「ISO14001を取得したいけど、どれくらいの費用がかかるの?」と悩んでいませんか?環境マネジメントの国際規格として、多くの企業が取得を目指すISO14001。

しかし、初めての取得には審査費用や準備コストがかかり、維持にも年間費用が必要です。また、「コンサル会社を利用するとどうなるのか」「自力での取得と比べてどのくらい違うのか」といった疑問も多いはず。

この記事では、ISO14001の新規取得や維持に必要な具体的な費用を詳しく解説し、コンサル会社を利用した場合の費用についても掘り下げていきます。費用目線で取得方法を検討していきたい方は、この記事を見ることによって最適な選択にたどり着けるでしょう。

ISO14001の認証取得・維持にかかる費用とは?

ISO14001は、環境マネジメントシステム(EMS)の国際規格であり、環境への影響を最小限に抑えつつ、持続可能な運営を実現するための枠組みを提供します。本見出しでは、ISO14001の認証取得および維持に必要な費用について解説していきます。

ISO14001の構築・運用にかかる費用

ISO14001の導入には、EMSの構築と運用が必要です。この費用は、自社で対応するか外部のコンサルタントを利用するかによって大きく異なります。

自社運用のケース

自社でISO14001の構築・運用を行う場合、以下のような費用が発生します。

  • 人材投与・育成費用…担当者の人件費や教育費用が主なコストとなります。特に、内部監査員を養成するための研修は必要であり、その費用として1名あたり数万円かかります。
  • 文書・記録類作成費用…EMSの構築には、環境目標や手順書、関連する記録を整備する必要があります。これを自社で対応する場合、時間と労力が求められるため、労力換算で数十万円のコストと考えられます。

自社運用は費用を抑えることが可能ですが、専門知識の不足により、手間や時間がかかる可能性があります。

外部コンサルタント利用のケース

外部のコンサルタントを利用することで、効率的にISO14001を導入できます。以下が主な費用です。

  • コンサルタント料金…支援内容や企業規模・業界によりますが、相場は50万~150万円程度です。
  • 追加サービス費用…内部監査や審査への立ち合い、業務分析や改善提案に関するオプションサービスが提供される場合、追加料金がかかる場合があります。

コンサルタントを利用すると、規格の理解や構築がスムーズに進む一方で、初期費用が高額になる傾向があります。

ISO14001の審査にかかる費用

ISO14001を認証取得するには、審査機関(認証機関)による審査が必要です。審査費用は、選択する認証機関や企業の規模・適用範囲により変動します。

実施時期 費用 別途費用
初回審査 初回の認証取得時のみ実施します。
一次審査と二次審査があります。
小規模企業で20万~50万円、中規模以上で50万~100万円以上の費用がかかります。 審査員の交通費・宿泊費などが別途請求される場合があります。
維持審査 認証取得後~毎年実施します。(更新審査年度は除く) 20万~50万円程度の費用がかかります。
更新審査 認証取得後~3年ごとに実施します。 初回審査と同程度の費用が発生します。

ISO14001取得にかかる期間は?

ISO14001の認証取得に必要な期間は、企業の規模や組織自体の業務プロセスの熟成度によって異なります。取得までの期間の目安としては、小規模な企業では6~9か月程度、中規模以上の企業では1年程度が一般的です。

取得までのプロセス
  • EMSの構築・運用(3~6か月)
  • 内部監査とマネジメントレビュー(1~2か月)
  • 認証審査(1~2か月)

認証取得期間をできるだけ短縮したい場合は、外部コンサルタントの活用や、自社既存の品質管理の仕組みにISO14001要求事項を付け加えていくことを検討すると良いでしょう。

計画的に進めることで、無理なくスムーズにISO14001を取得できます。

ISO14001取得のメリットとは

ISO14001を取得することで、以下のようなメリットがあります。

  • 環境パフォーマンスの向上…環境負荷の低減や持続可能な活動を促進できます。
  • 法令遵守の確実性…環境関連の法規制に対応し、コンプライアンスリスクを低減します。
  • 企業イメージの向上…環境意識の高い企業として、顧客や取引先からの信頼を得られます。
  • コスト削減…エネルギー効率化や廃棄物削減を通じて、運営コストの削減が可能です。

ISO14001の取得は、環境と経済の両面で企業価値を高める重要な手段です。

ISO14001はISO9001より諸経費や手間がかかる?

ISO14001とISO9001は異なる目的を持つ規格であり、導入や維持の手間・費用にも差があります。

  • 手間の比較…ISO14001では、環境影響の評価や法規制対応のプロセスが必要で、ISO9001よりも複雑なケースが多いです。その分労力が多くかかるでしょう。
  • 費用の比較…初期費用や審査費用はほぼ同程度ですが、ISO14001では環境法令に適応した設備や監視ツールの導入、運用コストが追加される場合があります。

企業の業種や元々の管理体制によっても差が生じるため、自社の状況に合った計画が求められます。

ISO14001取得成功には運用代行型コンサルタントがおすすめ

ISO14001の取得・運用を成功させるためには、『運用代行型コンサルタント』の活用が効果的です。ISO14001の目的や概念について十分な理解がないと、実務にプラスして、ISOのためだけのルールを追加していく『無意味で重いISO』になるリスクが高くなります。

その結果、企業の実情に適応した仕組みというよりは、省資源・省エネ、廃棄物の分別・リサイクル、緊急事態対応訓練などを新たなルールとして追加する形となり、現場に大きな負荷をかけるだけの仕組みになりかねません。

そのようなリスクを防ぐためにも、企業の負担を最低限にし、確実な認証取得を目指すには、『運用代行型コンサルタント』が最適です。

運用代行型コンサルとは

『運用代行型コンサルタント』は、ISO14001の導入から運用支援、審査後のフォローまでを一括してサポートするサービスを提供します。サービス内容は、ISOに関するアドバイスやほとんどの書類作成作業の請け負いです。

必要な情報提供で書類作成や運用の一部を任せられるため、社内の工数削減に最適です。また、環境関連法規の最新情報を提供し、適切な対応を支援してくれるため、改訂法令に関する調査の必要もありません。

企業にとっては、ISO14001の知識がなくても確実に認証取得ができるという大きなメリットがあります。おおよその費用の相場は、年間で45~200万円程度です。

コンサル会社を選ぶ基準とは

『運用代行型コンサルタント』を選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  • 顧客継続率…顧客満足度につながりますので、認証取得後も見据えて付き合えるコンサル会社選びの参考にしましょう。
  • 実績と専門性…ISO14001に特化した豊富な実績を持つ会社を選びましょう。
  • 支援内容…導入支援だけでなく、運用サポートや法規制情報提供が含まれているか確認しましょう。
  • コストパフォーマンス…見積もりの明確さや、サービス内容に対する費用対効果を評価しましょう。

コンサル会社を選ぶ際は、顧客継続率、ISO14001導入の実績や専門知識、支援内容、コストパフォーマンスを比較検討しましょう。

また、認証取得後の良好な関係を継続できるよう、顧客満足度(顧客継続率)の高いコンサルタントを選ぶことが重要です。目的や予算、希望する支援内容などを明確にすることで、最適なコンサルタントを見つけられます。

まとめ

ISO14001の新規取得・維持には、構築・運用コストや審査コストが発生します。自社運用では初期コストを抑えられる一方、社内労力が増大する傾向があります。外部コンサルタントを利用すれば専門的な支援を受けられるため、最低限の工数でスムーズな認証取得が可能です。

ISO14001の取得は環境負荷軽減や顧客信頼の向上、法規制への適合といったメリットをもたらし、結果としてコスト削減にも最適です。ISO9001と比較すると、法規制対応が重視される分、初期構築時の費用や手間がかかります。

取得を成功させるには運用代行型コンサルタントの活用がおすすめで、実績や費用対効果を基に最適なパートナーを選ぶことが重要です。